SunSister kendesu選手が語る世界との差。世界大会に出場して感じたことやeスポーツの将来について語る。

SunSister kendesu選手インタビュー(後編)「ずっと未知の出来事が起きているような感覚だった」

WRITTEN BY "Molis"
2020.03.13

SunSister kendesu選手インタビュー(後編)「ずっと未知の出来事が起きているような感覚だった」

本記事はSunSister所属 kendesu選手のインタビュー内容の後編となります。前編はこちらからご覧ください。
SunSister kendesu選手インタビュー(前編)「チームに対して言いたいことは全部言えてる」
https://game-sport.jp/article/156



PUBGで世界大会に出場してきた中で感じた日本と海外との差は何ですか?


Molis: つい最近、とあるゲームの海外プレイヤーが日本人は取り組む姿勢がまず間違っているということと安易に答えをAIMにもっていくという記事があったんだよね。kendesuはどう思う?


kendesu: んー……、感じたものを言葉にするのは難しいので、実際に海外で戦った経験を日本での戦いと比べてお話ししますね。日本では、参加する全てのチームの降りる場所だったりムーブが理解できるんですけど、世界大会ではどのチームがどこに降りてどういうムーブをするとかっていう情報が直近の数試合でしかわからなくて大変でした。
特に印象に残っているのはPGCの予選のグループ分けのシステムで、合計24チームの3グループでした。
このグループ分けによって1日ごとにチームの入れ替えがあるので、イレギュラーが多発して固定された作戦っていうのは使い物にならなかったんですよね。ずっと未知の出来事が起きているような感覚で、頭の中が混乱して大変でしたね。
日本だったらパターン化された行動によって試合が組み立てられるので……。そこで世界の壁を感じました。
もし、世界大会に勝ちたければ、そもそもランドマークを固定にする事なく、どこでも勝ち抜ける様にしないとダメだと思います。ただ、まずは日本で勝つことが大事なので、大会によって戦略を変えることができる柔軟性が必要だと思っています。

Molis: なるほど。俺も何度か世界に出たけど、まさにその通りだなって思った。SunSisterでPUBG部門に所属して当時の世界大会に出たとき、ムーブスピードやファームスピードを上げることを意識したりチームとしてやれる事がまだまだたくさんあるなって感じたね。とにかく何をするにしても精度や練度が違う。そこは大きく体感した。

kendesu: あと感じた事は、日本と比べると世界の選手はDMRの精度が高くて安易に顔を出すことができないんですよね。そういった意味で索敵しながらの情報収拾もやりづらいですし、こっちが顔出せない内に相手は色んな作戦を展開してくるんです。

Molis: PUBGで過去に世界戦に出たときに感じたのが、とにかく頭に対する精度が高くて怖くて顔出せないよね。

kendesu: そうなんですよ。それで僕達がヒール中だったりとか被弾を避けるために顔を出すのをやめている間に横に広がられたり、気づいたときには相手に有利な形を作られてるんですよね。近距離はまだ戦えるのですが、中遠距離の射撃に関しては世界と日本の差を感じました。

Molis: 確かに近距離の撃ち合いではそんなに負けてないよね。観戦側としてもその部分だけ見てると"やれるぞ!日本勢やれる!"って思うんだけど……。中遠距離の撃ち合いに関してはいつもヒヤヒヤしながら見てる(笑)

e-sports、いま非常に軌道にのって流行になってきていると思いますがkendesu選手が思う“昔”と“今”の違いってなんですか?



Molis: 例えば……、今と違って昔はまず給料制度とかもなく、賞金も1タイトルとったらいくらとか、とにかくお金が目当てではなくて、そのゲームで1番をとって実力を証明したい!みたいな気持ちでやってる人が多かったと思うんです。kendesuはその時と今はどう違うと思う?

kendesu: んー……、確かにお金になるとは思ってはいませんでした(笑)でも今も1番になりたいという気持ちは変わらない気がしますね。お金の話で昔と比べた時にあからさまな違いといえば、僕はPUBGの大会に出ていますが有名企業のスポンサードが大会についたりしてきているので、以前と比べてお金の流れみたいなものは感じることはできるようになりました。とはいえ、昔から賞金の上限が10万と、改善されている訳ではないので、そこまで大きな変化はないと思っていますね。まだまだe-sportsは投資の段階かなと思っています。これからは、お金を先に考えた上で1番になりたいって人も出てくるのかもしれませんが。Molisさんはe-sportsってお金になると思いますか?

Molis: う……、厳しい質問きましたね……。正直ゲームタイトルによるのかなと思っています。e-sports全体となると正直自分もどうなのって誰か偉い人に質問したいくらいなので分からないですけど……。
4年間SunSisterにいて経験した中ではお金を得るならストリーマー活動しつつ選手としても活躍するのが一番良いのではないかなと。選手一本だと、やっぱりタイトルによって賞金も変わってきちゃいますし。
でも、やっぱり僕等ゲーマーってのは根っこの部分では【勝ちたい】ってのが一番だよね。お金ほしいからゲームしようなんて考えは誰もなかったと思うんですよね。勝ちたい、楽しみたい、有名になりたい、色んな理由あると思うんですけどお金って二の次な気がしますね。とはいえ、関わったみんなが稼げるというのが魅力的な業界なので、今後そうなったらいいなあ。

最後にkendesu選手から次のPJSの意気込みや普段応援してくれるファンの皆様に一言お願い致します。


kendesu: 今はみんなが失敗を恐れた形になっている所があるのですが、それを修正して再び日本で一位を取れるよう試行錯誤しながら頑張っていきます。これからも応援よろしくお願いします!
次の大会では新星SunSisterも見せれると思うので是非楽しみにしていてください!

Molis: kendesu選手インタビュー有難うございました!

インタビュー実施日 2020/1/22

Molis1991年生まれ、東京都在住、2019年ライターとして始動。PCゲーム、ネットが専門。
選手としてOverwatchやPUBGで活躍、現在もプロゲーマーとして活動している。

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